現代 | ナノ

夏休みの介抱


「やっぱりな」
「慶次、くん」
「ちょっと水臭いんじゃないの」
「そうでござるぞ」
「hospitalだから電話通じなかったのか」
「体調はいいのか」
「みんな」

看護婦の声に続いて様々な言葉が飛びかかる。
いつもの均一の白とは違い、色とりどりの友人たち。
雨が存在を主張するように窓を打つ。

「どうして…」
「どうしてもこうしても、いないならここに決まってるだろ」
「…まあね」

半兵衛は観念したように笑った。
雨の湿った笑みだった。