現代 | ナノ
夏休みの懐抱
前の登場人物たちが前に起きた話題について延々話している。
ページを捲る速度が明らかに遅くなっていく。
意味のない文字の羅列を追うのに飽きた。
「今日はどこへ行ったのかな」
こんなに天気の悪い日は、慶次の家で映画の上映会だろう。
そういえば怖くないホラー映画を見つけたから、これならかすがでも観れると言っていた。
「竹中さん」
「はい」
怖くないホラーに何の意味がある。
分からない本を閉じ、顔を上げた。
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