現代 | ナノ

私とステップ踏みませんか


ドスドス音が遠ざかっていくのを聞き、今度はベッドの下から声がする。

「いやー、参った参った」
「前田くん」
「半兵衛にはすまないことしたなあ、うん」
「前田くん」

薄暗くて狭い中に、ひょうきんな声。
幽霊だとしたら、保健室にはあまりにも似合わない。

「身動きできないならそう言ってくださいね」
「…はい」