現代 | ナノ

夏休みの四角


こんなに天気のいい日は、何でもできる気がする。
半兵衛はボストンバッグから読みかけの小説を出し、しおりを目印に開いた。
前の内容を忘れたまま読み始め、太陽が眩しいのでカーテンを閉める。
白いカーテンから通る光は、昨日まで着ていた制服の色に似ている。

眩しくて、小説に目を戻す。

お昼ですよ、と声がした。