メール 「おでん!片倉殿、おでん!」 「だからやってねえって」 トレーを振り回し、幸村が走ってくる。 元親がああ言ってから、おでんはないのかと聞いてくる学生が増えた。 ご飯のおばちゃんも味噌汁のおばちゃんも麺類のおばちゃんも言っていた。 「おでん導入はありませぬか…」 あからさまにがっかりされると、同情ではない感情が湧いてくる。 どうでもいい。 「家でやればいいじゃねえか」 「片倉殿のお宅で!」 「…は?」 決まり決まり、と普段からは考えられないほど素早くメールを打ち、送信。 奴はニコッと笑った。 小十郎は傷をひきつらせた。 |