現代 | ナノ

私とおしゃべりしませんか


「助かりました。かすがくん、まさかここまで来るとは」
「楽しそうですねえ」

カビ臭い毛布から這い上がり、半兵衛は咳をする。
何故保健室の毛布はこんなにもカビ臭いのか、光秀のせいではない。

「私は最近誰も構ってくれなくて寂しいというのに」

秋は。
色々なことがあって。
体育祭が始まれば少しは賑やかになるだろうか。
そういうのを期待しているわけではないのだけれど。

「竹中、見つけた!」

立ち聞きしていたのか、閉じた入り口がまた開き、金髪女子学生が竹中の首根っこをひっ掴む。

「いやあ、青春ですねえ」