現代 | ナノ

十二月誤


「中国語の駅前留学ってあったっけ?」
「聞いたことねえな」
「じゃああれじゃないかな、テレビでやっているやつ」
「テレビで中国留学〜蘇州編〜、だっけ」
「安上がりでござるな」
「貴様等は何の話をしている」

元就は眉を潜め、ああ行かないでくれ、と懇願するのを待つ。
しかし誰も本気にしない。
前例はこの時間、一人学内留学をしているのでいない。

「確かに中国は安上がりだが、蘇州ではなく北京だ」
「そっか、テレビで中国留学〜北京編〜、か」

うんうん頷いて、そういえば次の予習があるのを思い出し、各々作業を始める。
元就は首を捻って日文を後にした。