現代 | ナノ

十一月再


それから政宗は留学のことなんてすっかり忘れ、崩し字を直し、一応ギリギリセーフくらいの発表を済ませた。
あれから政宗の英語を聞いていない。
風の噂で知ったのだが、英語の授業を聴講しているそうだ。

「ただに勝る者はありませぬ」
「私も挑戦しようかな、お菓子づくり」
「エッ止めてよ殺すつもり?」

そんなこんなで月日は穏やかに流れ、流れて。
再び。

「留学をすることにした」