現代 | ナノ

私と楽しいことしませんか


「竹中、いるか」
「いませんよ」

イヤホンから耳を離し、保健室の入り口を見る。
言葉だけなら道場破りだが、声は優しいので心配はいらない。

「今日は一度も来ていませんが、どうかされたのですか」
「いえ、いないならいいです。失礼しました」

そう言って頭を下げた金髪の、長い二房が風を運ぶ。
そういえば、もう秋だ。

「ねえ、竹中くん」

秋は、秋は。