現代 | ナノ
同一人物
「さっき伊達さんと話してたお兄さん…」
「見間違いなんかじゃない、あれは君の言っている政宗くんだよ」
全体的に色素の薄そうな、紫のフレームの眼鏡をかけた人が、いつきの後ろを歩いていた。
どうやらあまりにも歩くのが遅くて、後列と合流してしまったみたいだ。
「政宗くんから聞いたことがあるからね、パスケースを落とした話」
「じゃ、じゃあ、あの…笑顔と、不機嫌な、その…」
だんだん言いづらくなって、口ごもる。
友人のお兄さんは微笑み、指を一本だけ立てた。
「同一人物ってこと」
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -