戦国 | ナノ

終始安寧


昔の光秀を思い出そうとすると今の光秀が邪魔をするし、今の光秀に向き合おうとすれば昔の光秀が頭を過ぎる。

「どうして、あなたはずっと私と同じ道を歩むの」

昔も今も、変わらず。
すべてを変えながら、居場所だけを守り続け。

変遷のすべてを知る濃姫は、光秀を最後まで見届けるつもりでいた。
光秀も、そのつもりだった。

「帰蝶と一緒にいたいからですよ」

できるなら、共に年老いるまで。
叶わないのなら、今、終止符を。