戦国 | ナノ

空海絶海


ある日突然、槌が重たくなった。

「祟りだべ」

疲れているのかもしれない。
一日ゆっくり休んで、おいしいご飯を食べて、そしてまた槌を握ればいい。
一日、また一日、布団から起きあがるのが億劫になった。

「祟りだべ」

魔王さんを倒すためにお天道様がくれた槌を使って、むやみやたらと殺生をしたから。
魔王さんはとうにいないのに、まだ槌を振るおうとしたから。

ある日突然、いつきは布団から出れなくなった。
お天道様が怖くなった。