戦国 | ナノ

被害願望


いつきの望みはいつだって一つだった。

「卿は何を望む」
「明日を」

感覚のないほど軽い槌を振るい、ひたすらに望み続ける。
明日を生きれば、明後日を。
一年後の収穫を保証してくれなくていい。
明日を。

「残念だ、卿とは分かり合えない」
「んだな」

軽い軽い槌を振るった。
明日は闇のままだった。