戦国 | ナノ

三寒四寒


忍は地面に縛られる。
空へ向かうのが天国だというのなら、この処遇は至極当然である。

「風魔、どこじゃ」

地を這うのが地獄なら、小太郎に地獄は存在しない。
鮮やかに咲き誇る桃色の結末も、穏やかに眠る朱色の芽吹きも、すべて天より地より使わされた。
ここは世界の中心、唯一の場所。

「おお、そこにおったのか」

白い布団も藁色の畳も、それが天国だというのなら、かかる虹の刹那に願う、この老人の行き着く果てを保証してくれ。