戦国 | ナノ

二捨択一


「こんなことをしてどうなる」

小十郎は目の前に置かれた一爪から、軍師に目をやった。
豊臣の軍師にはならない、ならないと何度も言っているのに、それでも彼は懲りずに同じ選択を迫る。

「豊臣秀吉に必要なのは俺じゃねえ、お前だ」
「皆、そう言うよ」

豊臣の軍師は、それがどうした、と言いたげな顔をした。

「さあ、豊臣の軍師になりたまえ」