戦国 | ナノ

日没間際


いつまでいがみ合えばいいのかと考え、少し疲れた。
あの武将が同じことを考えてはくれないかと、海神に願ってみる。

「我は愚かなのか」

もう疲れてしまった。
攻め込んでくる度に、崩れていく策に、破天荒な性格に、日輪のように明るい声に、もう何もかも。
和平案を持ち出せば、あちらも愚かではないのだから、おそらく理解を示してくれるに違いない。
そうすれば。

「我は愚かだ」

紙を丸め、海を仰ぐ。
そうすれば、何だというのか。

元就は疲れてしまった。
襖の向こうは戦場だった。