戦国 | ナノ

粗末些末


「真田幸村が討たれたらどうする」
「お館様じゃなくて?」
「真田幸村が、だ」

佐助は武田信玄の忍であって、真田幸村の忍ではない。
かすがは分かって聞いているのか。

「そういうかすがはどうなのさ」
「何がだ」
「俺様が討たれたら」

佐助にとっての武田信玄がかすがにとっての上杉謙信なのか、真田幸村が上杉謙信なのかはこの際どうでもいい。
上位二人の内どちらかをなくしたら、どうなるかが知りたいのだろう。

佐助は、かすがの上位二人の中に自分がいることを疑わない。

「弔ってやる」
「俺様もそうするよ」

墓を作った。
弔うと約束したから、粗末な墓を。