戦国 | ナノ

飛車飛来


「人を駒扱いするなんて、おめえ、最低だ!」
「そういう貴様はどうだ」

遠路遥々最北端から中国までやってきたかと思うと、言いたいことはそれだけのようである。
元就は馬鹿馬鹿しくなり、少女を見下すのさえ止めた。

「貴様がそれを我に言うだけのために、今まで何人の農民が飢えた、戦死した、何故まだそのように我に説教できようか」
「お、おらは…!」
「貴様の農民共は駒以下である」

違う、と叫ぶであろう喉は、元就の優秀な駒によって潰された。
少女の駒以下の者共は、どうなったのか分からない。