戦国 | ナノ

包囲崩壊


そんなに簡単でいいのか、と思った。
全方位を鉄砲隊に囲まれ、下ろされた手を見たのが、おそらく海賊の最後だった。

防御しようとした手を突き抜け、大衆を守ると誓った背中を貫き、後は、もう何もない。

「呆気のないものであるな」

元就は采配を揮った。
こんなはずではなかった、と采配を。