戦国 | ナノ
中堅凡庸
自分が強くないことなんて、言われなくても分かっている。
凡人から見れば天才でも、天才から見れば凡人であるこの位置に留まって、どちらを目指したらよいのか決めあぐね、うろうろと足を動かしていた。
「佐助、さっさと来い」
「はいはい」
はためく赤い二本を追いかけ、適うはずのない天才の領域に踏み込み、いつかきっと後悔することは、言われなくても分かっている。
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