戦国 | ナノ

現在侵攻


間に合えばどうにかなった、というのはただの理想だ。
慶次の言葉はあやふやに未来を紡いできた。

ねねのことも、今のことも、これからのことも。

「間に合ったとしても、どうしようもならなかったんだな」
「…そうだね」

慶次は諦めた。
半兵衛は残念そうな声色だった。

「どうにもならなかったんだ」

まだ救われたい、と願うのを、見ない振りで。
最後の点を過ぎ、もう間に合わない、間に合わない。