戦国 | ナノ

閻魔家庭


「仮定、仮定」

仮定なのだと松永は言った。

「君の元の御主人が、ここへ来るようなことになったならば」

こつこつと机を叩く、その音だけが辺りをかきむしる。
小太郎の心臓の音は、松永にむしり取られてしまった。

「なるべく長く時間をかけて、葬りたまえ」

生死の境の顔が美しい、と松永は言ったか言っていないか。
直に見られる、松永に刃向かい松永に殺される、小太郎の顔で。