戦国 | ナノ
不毛豊作
政宗は侍で、侍は米をたかりにくる。
「やってることは同じだべ」
「何がだ?」
「何でもねえ」
こんなに優しくしてくれるのに、政宗は結局米を奪っていく。
釜いっぱいに炊いた米を頬張って、頬張って。
「いつきの米は旨い。田の神から愛されているだけあるな」
おかわり、と差し出した茶碗を受け取り、ほんの少し、思う。
いつきは田んぼの神様から愛されているから、心も体も神様がくれた米と同じ。
政宗は米を奪っていく。
いつきの心を奪っていく。
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