戦国 | ナノ

二足直立


ある程度の覚悟はあった。
それでも現実を目の当たりにすると、心から不安を感じた。

「どうして生きているんだよ」

慶次は半兵衛の肩を揺さぶった。

「どうしてそんな体で、生きていられるんだよ…!」

咳をする度に大量の血を吐く。
外傷などないのに、一歩ずつ死へ近づいていく体を揺さぶって、それすら死へ近づけさせる要因だと分かっていながら、それでも。
執念だけで立ち続ける姿が、儚くも力強かった。