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アイロンアイデア


「で、どんな髪型?」
「これこれ」
「あらま楽チンだこと」

くるっと一まとめで簪をブスリ、それだけ。
せっかくコテだのアイロンだのムースだのスプレーだのをこてこてに使用してガッチガチの髪型にしてやろうと思っていたのに、拍子抜けだ。

「黒髪と和服にはこれが一番」
「竹中ちゃんって、意外と王道が好きだよね」
「でもラーメンはとんこつだから」
「俺様ちぢれ麺でヨロシク」

くるっとブスリは簡単すぎて、こんな簡単なものにセット料金をいただいていいのか不安になったが、もしかしたら濃姫も破壊的に不器用なのかもしれない。
綺麗な黒髪を丹念に乾かし、くるっとブスリ、簪はいつかノリで買ってしまい込んでいたものをプレゼントした。