スリースタイル 黒髪ストレートの女性が、留学した友人の隣で微笑んでいる写真がある。 半兵衛はいつだったか教えてくれた。 彼女の髪の毛は僕らの餌食だったよ、なんて、つるつるの写真を撫でて、遠い顔をして。 「蘭丸はあれだろ、銀髪三つ編みだろ」 「ばっ、馬鹿にすんな!だれがいつきなんか!」 「あれー、別に俺様、いつきちゃんだなんて言ってないけど」 シャンプーしたての髪を乾かしながら、蘭丸の短い髪に触れる。 小さい子だから髪に張りがあるが、きっと、このようなものではないのだろう。 「ちなみに俺様は金髪ね、金髪」 「あんみつウェイトレスか」 「もちろん」 今だったらあんな髪型やこんな髪型をしてあげられたのにな、と半兵衛はヘアカタログから幾つものヘアスタイルを抜き出していく。 |