職業 | ナノ
fall
「良かったな、いつき」
「お兄さんはドキドキさせるなぁ、恨むな、なんて」
同じエレベーターに乗り、今度は三階。
外していたサングラスをかけ直したお兄さんの表情は、すっかり読めなくなった。
お兄さん、お兄さん。
そういえばいつきは、お兄さんの名前を知らなかった。
「なあ、お兄さんの名前は?」
六階、五階。
お兄さんは頭を掻く。
四階。
「…"伊達政宗"!」
三階。
それって歴史の、と言いかけたいつきの声を、到着の音が遮った。
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