職業 | ナノ

フィッシュボンバー


「武蔵くんが帰ってきたら、一回来るように言っておいてください。きっと大変な頭になっていると思うから」
「よか、伝えておく。ボウズども、また来んしゃい」
「もちろん!チャーシューおまけしてくれるならね」

下げたラーメン丼を一人で洗い、一人で拭き、一人でラーメンを作り。
末路は信玄のぎっくり腰ではないか、と心配になったが、信玄より大分じいさんだから平気か。
いや、逆か。

「武蔵くん、ちゃんとどこかに泊まっているんだろうか」
「野宿だね、きっと」
「末恐ろしいことを言わないでくれるかな」
「俺様のシャンプーの腕がムズムズしてるよ、大物の予感」
「元就くんのかい?」
「竹中ちゃん、勘弁」

だらだら歩いて戻ると、古本屋に人影が一つ、レジの前をうろついているのが見えた。
強盗だったら怖いが、サイズ的にそれはあるまい。

2時に濃姫が来る、とようやく告げて、佐助は鍵をかけ忘れたドアを開いた。