ワンダーホイップ 首にタオルを巻き、元就は大きな鏡に映る自分の姿をうっとりと見ている。 そうか、ナルシストか。 「我の髪型は完璧だ」 「そっすね、で、どうする?二週間前に切ったからあんまり伸びていないけど」 そういえばこいつは二週間前にも来た、8時に。 その内真夜中に来るのではないだろうか。 「我の髪型を見よ、一点の狂いもなく美しい」 「竹中ちゃんが切ったからね」 「今日は切らぬ」 「うんうん、竹中ちゃんの総合芸術だからね…今、何て言った?」 「シャンプーをせい」 鏡の元就と目があった。 おそらく鏡の元就とは時間も言語形態も違うのだろう、違う、違うと言ってくれ。 |