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スタートダッシュ


弁当を食卓テーブルに置き、今日は幸村より早く家を出る。
開店は9時、元就は8時半、ならば半兵衛は8時、佐助もそれに合わせなくてはならない。

「そうだ旦那、濃姫のねーさんが午後から休みで髪切りに来るって言っていたから、眼鏡、代わりに受け取っておくよ」
「分かった」

じゃあ、と慌ただしく家を出たのが7時。
開店は9時、元就は間違えて8時に来るかもしれないと不安になった半兵衛は7時半、佐助もそれに合わせなくてはならない。
少し早足でいつものアーケードを通り、左に曲がる7時15分。
案の定、帽子を被った半兵衛がそこに立っていた。