職業 | ナノ

グラスキャット


「某は腹が減った」
「いいから入んなさい、予防接種をしたくない子供じゃないんだから」

どんと押すと、自動ドアが開いてしまった。
もう入るしかない、しぶしぶ幸村はドアをくぐる。

「某はっ…」
「最近目が悪くなったでしょ?眼鏡嫌いでも授業中くらいはかけた方がいいよ」
「…いつから知っていた」
「真夜中に猫背で勉強したら誰だって目くらい悪くなるって。ほら、早く早く」

店員の濃姫を呼び、視力検査をしてもらう幸村を面白そうに見ながら、佐助は幸村に似合う眼鏡を考える。
参った、どれも似合わない気がする。