職業 | ナノ

rise


「この会社は少々変わっていてな」

お兄さんはエレベーターの七階を光らせ、振り向いた。

「名前は社長が決める決まりなんだ」
「…じゃあ、おらの名前は」
「これから決まる」

四角い箱はどんどん上昇して、行き着く先は天国か地獄か。
どちらでもいい、早く着いてほしい。

奥の奥の部屋。
コン、とノックは一度。
お兄さんは振り向かない。

「何になっても恨むなよ」