職業 | ナノ

エブリカム


そうして朝が来ると、朝食と弁当を作って古本屋を開けに行く。
大体いつも半兵衛が合い鍵で入っていて、変な本を物色している。

「いい本あった?」
「なかなかね」

二人で二階に上がり、そこでようやく半兵衛は帽子を脱ぐ。
破壊的にどうしようもない頭を佐助が少し解かしてやると、いつの間にかあの髪型になる。

「やっぱり不思議だ」
「どうしてできないか不思議だ」

佐助は古本屋に戻り、あとはどちらかに客が来るのを待って過ごす。
そういえば、旦那が帰りに寄るかも、と言わなければ。

立ち上がると、バイクの音がした。