職業 | ナノ

スカイウォーカー


大切な友人が店を出すというから、ここに店を構え始めたはいいが、その友人はカットの腕を買われて留学する、というのが常連の説明だった。

「店が空いてしまうんだ」
「そりゃあ、もったいない」
「もったいないから、君に…」
「冗談でしょう!」

佐助は大声で常連の手を振り払った。
一応空笑いしてみるが、本当に空回っている気がする。

「確かに俺様は専門学校出ましたけどね、三年働いた店を辞めてからプラプラ、もう三ヶ月。なのに留学行くような奴の代理だって?いくら何でも重すぎるってもんでしょ!」

本は金を取らずに押し付けた。
350円だか50円だか知らないが、そんなの小遣いの内だった。