職業 | ナノ

guard


「蘭丸、いつきは来たばっかりなんだから優しくしてやれって、まつねーちゃんに言われなかったのかよ」
「…言われた」
「優しく、優しく!役者は演技が肝心!嫌いでも優しく!好きになったら心から優しく、な!」

バシバシ背中を叩き、慶次は酒臭くもないのに機嫌がよさそうだった。
いつきを連れて部屋を出て、いつきの部屋とは反対へ向かう。

「これこれ」

居間に一番近い、ごちゃごちゃした部屋に入り、慶次はCDを一枚ラジカセを一台。
いつきは、慶次がラジカセを持つと小さなポシェットみたい、なんて思ったりした。