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cool


慌てて首を振ると、迷彩服を着たお兄さんは楽しそうな顔をした。
お兄さんの迷彩服は、車のお兄さんとも眼鏡のお兄さんとも違って、記憶の中の田んぼのよう。

「迷子じゃないなら、グラサンが連れてきた子かな?」
「そっ、そう、…です」
「安心しなよ、あいつは無愛想だけど悪いやつじゃないから」

それから迷彩のお兄さんは、ココアをコーヒーと勘違いして、炭酸のジュースを買ってくれた。
さっきまで都会に沈んでいた心も、今はしゅわしゅわとした爽快感。