職業 | ナノ

mirror


「すまん、間違っただ」

今だったらさっと出てさっと入れば間に合う。
いつきの部屋は蘭丸の隣だから、余裕だ。
頭を下げてふすまを開こうとすると、手を掴まれた。

「ふざけんなよ」
「おら、ふざけてなんか…」
「それ蘭丸のパジャマだし、歌は下手らしいし、政宗に目かけられてるし、そんな顔しやがって」

そんな顔、そんなface。
一体どんな顔なのだろう。
鏡があれば、鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番、一番。

「蘭丸だって政宗に憧れてんのに!」

一番、一番を教えて。