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drip


政宗に置いて行かれたとしても、この家はひどく心地が良いから問題がない気がしてしまう。
湯気でほかほかになって、蘭丸のパジャマを借りる。
色々と買いに行かなくてはいけませんね、とタオルを渡してくれたまつの顔と、手を振って別れた政宗の顔が交差する。

「…いつき殿?」
「汗、汗です!お風呂が気持ち良くて、……」

ぽろぽろと零れた。
これは汗。

「…そうですね、長風呂にはお気をつけて」

涙は、隠した、約束した、政宗には、見せない。