face 「そんなわけで、会社にある機材はほとんどないし…、しゃーねえ、長曾我部にでも頼んでみるか」 「ちょーそかべ…いかつい名前だな」 「まあな、でもあいつは本名だ」 政宗は楽しそうに携帯を取り出し、少し空を見て、携帯を閉じた。 先ほど聞いた長曾我部と、この長曾我部は同じなのだろう。 仲違いでもしたのだろうか。 「いや、先に宿だな」 「政宗ん家は駄目なのか？」 「駄目だな、駄目」 ひらひらと手を振り、今度は携帯ではなく手帳を開く。 「そんなfaceしたって駄目だ、もっといいところがあんだよ」 政宗が言うなら、そうなのだろう。 携帯に打ち込み、電話を待つ。 何だか永遠のようだった。 |