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「君にしてもらうことをまだ言っていなかったね」
初対面のイライラが本当の竹中ではないことに、いつきはとっくのとうに気づいていた。
歩く速度もいつきに合わせてゆっくりで、優しく言葉を紡ぐ。
「歌うだけなら誰でもできる。君より上手い人間は山ほどいる」
「おら、何をしたらいいんですか」
竹中はゆっくり、ゆっくり、そして、止まった。
秘密を打ち明けるように、ひっそり。
「政宗くんが、また歌えるようにしてほしい」
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