burst ガラガラと滝のように流れ出る缶ジュースの通報があった。 どうせまた彼女に決まっている。 「済まない!」 済まないで済めば小太郎はいらない。 自動販売機修理の管轄がここに当たったのはもはやどうしようもない事実なので、いつものように無言で修理を始める。 どうしてこうも器用に壊せるのか、修理はすぐに終わる。 「そういえば小太郎、女の子が一人入ったそうだ」 まだ散らばったままの缶ジュースを拾い、かすがは空中で回す。 それ、炭酸。 「元気のある子だと言っていたが、楽しみだな」 親切心か、はたまた新手の嫌がらせか、小太郎の真似をして、自動販売機にそれを突っ込もうとする。 売り物にならないのでつっかえすと、プルタグに整った爪をかけた。 ブシュッと。 威勢、よく。 |