get 「いい声見つけたぜ」 「本当かい」 たくさんの雑音から竹中の声を拾い出すのは決して難しい作業ではない、と真田が笑って言っていたのを思い出す。 どれだけ周りがうるさくとも、まるで別空間から声が聞こえてくるようだ、と。 それはこの少女にも言えるようで、もしかしたら自分だけがカラスに紛れる雑音で。 「今はどこに」 「本州の最北端」 「…は?」 「指くわえて待ってろよ、big waveの予感だ」 ブツッと携帯を切り、電波がないことにする。 詳しい説明より、早くこの人材を見せたい。 カラスならカラスなりに這ってでも飛んで、せめて楽しいことを起こしたい、いや、起こしてみせる。 |