※ロココくん捏造
※今後の展開捏造


「僕が強くなったら、僕を好きになってくれる?」
「もちろん」

本当はもう好きだけど、私の言葉でロココくんが強くなれるならそう言うよ。
ロココくんは私の解答を聞いて、「じゃあ僕頑張るよ」と言った。頑張って強くなるよって宣言。
決意を新たにしたロココくんのグローブを付けた大きな手が私の手を包み込む。「応援しててね?」ロココくんの大きくて澄んでいてまっすぐな瞳が私を見つめる。私の返答を待つその視線があまりに熱くて、ドキドキしながら「うん」と素っ気なく言う。そんな私の答えを聞いてロココくんはにっこりと、眩しいほどの笑顔を見せた。



「私も行くの?」
「嫌ならいいけど、僕は来てほしいかな」
「嫌じゃないし、ロココくんのこと応援してたい。…から、行きたい」

「なまえが来てくれたらいつも以上に頑張れるよ」
「リトルギガントのキャプテンがそんなのでいいの?」
「頑張るんだからいいでしょ」
「…ははは」



「僕が優勝したら、僕とずっと一緒にいてくれる?」
「……僕たちが優勝したら、じゃない?」
「つっこむかな、そこ」
「ごめんごめん。…ずっと一緒にいるよ」

にっと笑ってロココくんは「頑張ってくるよ」と言った。
そんなのでいいのかな。ここは世界大会、フットボールフロンティアインターナショナルの決勝戦。そこで戦うリトルギガントというチームのキャプテンさんが、こんなちっぽけな女の言葉一つで軽々しく「頑張る」とか言って。
ロココくんは私が、優勝しなくてもずっと一緒にいたいって思ってるって分かってるんだろう。でもきっと、形式上こんな質問をしたんだ。…推測に過ぎないけど。




結果から言うと、ロココくんは優勝した。ロココくんはやっぱり強い。
今ロココくんは世界一のチームのキャプテンなんだ。そう思うと遠い人物に思えた。歓声がスタジアムに響き渡って、私の頭の中にまで響くようだった。
ロココくんはチームメイト達と喜んでいた。幸せそうな笑顔。眩しいほどの笑顔。見た人みんなが幸せになる笑顔。

「なまえ!」
「お、おめでとう」
「約束、守ってくれるよね」
「もちろん。だってロココくんのこと、大好きだもん」

私の名前を呼んでロココくんは私をぎゅうっと抱きしめた。ロココくんの匂いでいっぱいになる。「きついよ」と呟くように言うと「ごめん。嬉しくて」とロココくんは、はにかむ。
私は今更ながら大好きなんて告白をしてしまったこととか、スタジアムの端っことはいえ沢山の人のいるところで抱き合ってしまったこととか、ロココくんとずっと一緒にいる約束をしたこととか、恥ずかしさと嬉しさとが混ざり合って、ロココくんの胸にまた飛び込んだ。

「僕は幸せものだね」
「私だって幸せものだよ」


100630

今日のスペシャルにロココたんが出ることを祈りつつ
あと発売記念も兼ねて

×
- ナノ -