わたしはごうつくばりなので、お星さまになって先輩を見ているだけでは足りなくなりそうだと思いました。だから、毎日神様にお祈りしました。浜野先輩と一緒にいたいです。お願いします。って。
わたしのように病気に蝕まれて死ぬ人間、事故で死ぬ人間、殺されて死ぬ人間、たくさんいます。どんな人間も死ぬことは、わたしも分かっています。でも、死ぬまでの時間がもう少し、欲しかったです。時間が足りなかったです。
こんな考えはごうつくばりならではでしょうか。
神様がもし、わたしがもうすぐ死ぬからと浜野先輩と巡り会わせてくれたなら、それはとんでもない間違いです。罰のようです。でも、ちょっとだけ感謝します。わたしが短い人生で、素敵な人に出会えたことは変わりのない真実です。
言いたいことは上手くまとまらない人間なので、もうやめます。
わたし、やっぱり幸せでした。
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釣りに行こうと誘ってみた。俺が好きなことを、みょうじにも教えたいと思って。特に返事がなかった。仕方なく、一人で釣堀に行った。
勉強を教えると言った。これでも一つ上だし、中一の内容くらい分かる。でもみょうじはなにも言わない。もうすぐ中間テスト始まるっちゅーの。
みょうじはしっかり者で、朝が弱いってこともなかったらしい。それなのに、俺がいつ病室に行っても眠り込んでいる。
そういえば、童話かなんかであったな。お姫様がずっと寝てるやつ。みょうじは結構夢見がちだから、そういうの好きかもしれない。
ちょっとキスするくらいで目が覚めるならいくらでもするのにな。別に、刺だらけの道でも頑張って歩くし。
みょうじには時間が無さすぎたし、俺は鈍感すぎた。もうなんともならない。時間よ止まれーって言ったって、止まるわけがない。
現実って若干、嫌なもんだなって思う。
でも、みょうじの寝顔は結構幸せそうで、それが嬉しい。あとどれくらい、ここで見ていられるだろう。
物事ははっきり言うタイプだから言っちゃうと、俺は全然足りない。みょうじと一緒にいられた時間とか。うん。でも、幸せだったかって聞かれたら、ちゃんと答える。幸せだった。
110308
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