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結局名前と結婚するまでにはそれから3年もの月日が必要だった。


ひとつは名前がまだ結婚できる年齢では無かったこと(同い年くらいだと思ってたのに!)。

そしてもうひとつは俺の家族に名前を認めさせることが大変で時間が掛かってしまった。なんせ我が家は代々親が決めた者と結婚するのが習わしだったから、一般人、しかもハンターライセンスさえ持っていない非力な女をゾルディック家の嫁として受け入れるのは似つかわしいと言う家族。だが、俺の心はもう名前と決まっており、今更親の決めた女と結婚する気など更々無かった。

それで名前を超特急で一の門を開けられるまでに鍛え上げることにした。名前は良家の箱入り娘で、筋肉なんて全く無かったが、彼女も俺の為に毎日泣きながら耐えてくれた。そしてついになんとか一の門を開けることに成功。(結構ギリギリだったがよく頑張った!)これに家族は名前を認めざるを得なくなり、ついに俺達は婚約した。


結婚式は家族だけ、しかも俺の家の中で行われた小さな挙式だったが、名前は文句を言わず、俺の家のしきたりに従った。この日の為だけに、名前だけのために作ったウエディングドレスを着た彼女はこの世のものとは思えないほど、それはもう美しかった。


「ずっと言おうと思ってたことがある」
「何かしら」
「君の笑窪は世界一、いや宇宙一素敵だ!…君の全てを愛してるよ」
「ふふ、今日の貴方は饒舌なのね」
「からかわないでくれ」
「ふふ、私もゼノさんが好きですよ」


笑窪が愛らしいお嬢さんは、この日からゾルディック家の一員となった。