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「報告書ありがとね早川くん」
「いえ…。あの、では失礼します」
「あ。ちょっと待って」


マキマさんが机でついていた頬杖を離した。


「名前ちゃん、元気?」
「はい、元気です。毎日アホみたいに食ってます」
「そっか。食欲は人間の三大欲求の一つだからね。…名前ちゃん今日有給だっけ」
「はい」
「自宅にいるのかな」
「だと、思いますけど。何か用事なら俺伝えておきます」
「そう?じゃあ《私も三大欲求の一つ、また名前ちゃんで満たしたいな》って伝えておいてくれる?」
「飯でも行くんですか」
「飯じゃないんだなあ。」


人間の三大欲求。食欲。睡眠。
そして、性欲。


「え。」
「下がっていいよ」
「え、あの、また、なんですか」
「ふふ」
「え、ちょ、マキマさん」
「ふふ」



***


「名前、お前セフレいるのか」
『えぇ!?いるわけないじゃん…
どうしたの、あっくん体調悪い?』
「悪くない。
…マキマさんが、」


ぴくりと名前の方が揺れた。

やっぱり。
マキマさんと名前は何かある。


「三大欲求の一つを名前で満たしたいってマキマさんがお前に伝えてくれって。どういうことだよ」
『あ!う、…!
…もうマキマさん…っ!』


顔を赤くしながら頬を膨らます名前は極上の可愛さ………

じゃ、ねぇよ。


危ねェ。問題点から流されるところだった。



「関係を持ったことあるのか」
『…』
「怒らねぇから言え」
『ちょっと前に一度だけ』
「俺がいながらシたのか」
『アキと付き合う前だよ』
「俺と付き合い始めたの、大分前だろ」
『もうー!怒らないって言ったのに怒ってるじゃん!』
「怒ってない!お前が嘘ついたからだろ!」
『嘘じゃないよ!本当にアキと付き合う前なの!
それにあの時は結構強い悪魔倒してアドレナリン出まくってたから高まってシちゃったの!気持ちとか何もない!』
「じゃあ何でマキマさんは《また》なんて言ってたんだよ」
『それは…』


カアッと名前の頬に熱が集まるのが分かった。


『あ、相性が良かったから…』
「あ…」


もじもじとする名前に、見ているこちらまで恥ずかしくなった。思えば可愛い名前と美しいマキマさんのまさぐり合う姿なんて考えたら最高の興奮だ。


「勃った」
『……』



仕方ないだろ。




2020.11.22