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「苗字ちゃん、お仕事だよ」


それはマキマさんからの急な要請。


「金槌の悪魔が出たんだって。早川くんたちが先に行ってるけど、苦戦してるみたいだから援護をお願いします」
『分かりました。』
「ビームが高ぶりすぎないように気をつけて見ててね」
『はい。』



ビームくん。

半年のうちに三人バディを失った私に出来た、新しいバディ。



『ビームくん、お仕事だよ』


マキマさんの部屋を出て、弾むような笑い声と共ににゅっと壁から現れたのは鮫の魔人、ビームくん。


「キャキャキャッ! ナーちゃん!お仕事!どこ行く!?」
『金槌の悪魔の所。切られたら痛そうだね』
「大丈夫!ナーちゃんが痛くならないように俺守るよ!」
『ありがとう。
でも自分の身は自分で守るよ』
「もしナーちゃんがちょっとでも切られたら!俺キレる!悪魔100%になる!」
『それはダメ。
またマキマさんに怒られちゃうよ』
「アッ……マキマ様、怖い…それはヤダ…」
『頭はクールに行こうね、ビームくん』
「ハイッ!キャキャキャッ!」



今日もまた、1日が始まる。



『お仕事やだなぁー。お家でポップコーン食べながら映画見たい』
「俺この前食べた甘いのが好き!また食べたい!」
『そうだね。早くお仕事終わらせて映画見ようね。キャラメルポップコーンも買って帰ろう。キャラメルポップコーン…美味しいよね』
「俺、ナーちゃんとなら何だって美味しい!キャキャッ」


恥ずかしがるように顔を赤らめて言うビームくん。なんて可愛いんだろう。


『早く帰ってビームくんとイチャイチャしたい』
「キャキャキャッ!俺もしたい!早くナーちゃんの裸見たい!」



周囲からの視線が一気に私に集まった。
それは、職場で大声で言ってほしくなかったな。




2020.10.07