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あの娘の穴埋めをしようと何人もの女と関わりを持ってきた。


だけどやっぱり代わりなんてどこにもいない。






そして行き着いたのが魔人たち。


ロンは私の名前を呼ぶ声があの娘に似ている。甘えたいけど私の様子を伺ってから甘えてくるところも似ていて可愛い。


コスモは眠る時の穏やかな顔があの娘の伏せた目元と似ている。あと本質は穏やかでそれをひけらかさないところも似ていて好きだ。


ピンツィは柔らかい黒い髪と黒真珠のような丸い瞳があの娘を思わせた。知らないことが幸せなこともあると考える私に、知ったばかりの知識を伝え「知りたくなかった」と言う私を見て悪戯っぽく笑う所も似ている。




そして今日新しく魔人が私の元にやってくる。
私の隣にやってきて静かに手を握る仕草が名前に似ていたから。
















少しずつあの娘に似ている随所を集めて自分のもとに集めている。


もしも、名前の死に方が焼死では無く、事故死等で身体はそのまま綺麗に残っていたら、
亡骸に悪魔を入れて魔人となっても私の隣に座らせるのに。



見た目は名前、
中身は悪魔



初めは名前が生き返ったとでも嬉しくなるかもしれない。抱けば名前の身体だから気持ち良くなる所は同じなのだろうか。


知らない振りでもして自分を騙していくか?






なんて、私はとことんイカれた考えから現実に頭を戻した。



結局のところ名前はいないのだ。


それでも少しでもあの娘を亡くなって大分経つ今でも私の生活の中に感じたくて、私は必死なのである。
そんな自分に気付かないように、無知で馬鹿でいられるようにしていた。



名前が亡くなって十五年が経つある日。
未だに中国に在住している私は元帥の元から使いの者がやってくる。




2020.09.16