02
 また仁王のところに向かったのは、それから三日後だった。彼は保健室や屋上、はたまた海風館のカフェの日当たりのいい場所で堂々と昼寝しているときさえある。
 昨日もシャボン玉が飛んでいた。

 仁王たちのクラスの時間割を入手したけれど、前の時間は音楽らしい。昼休み、友達と手早くごはんを食べて立ち上がる。
「どこ行くの?トイレ?」
「ううん。用事あって」
「ほーん」
 数少ない友達であるその子は、特に興味もなさそうな返事をして携帯に目を落とした。その距離感が刹那には心地いい。
 教室を抜けて仁王を探す。
 4時間目からたぶんサボっていたんだろうから、それならゆっくり眠れる場所にいると思う。保健室を覗いてみても、カーテンはしまっていない。
 じゃあきっと……。
 刹那は3階の和室に向かった。基本的に茶道部の部活動で使われる場所で、鍵がしまっている。
 深い色の木の扉は施錠されていて、中の様子は見えない。

 コンコンコン。ノックをしてみる。
 無音。
 いないのだろうか。それとも居留守?諦めずにノックをし続ける。

「仁王くーん。開けてよ。いるんでしょ?」
「……」

 ドアの向こうから畳が擦れる音がして、ガチャンと鍵が空く。ゆっくり開かれたドアの向こうに、呆れたような瞳で刹那を見下ろす仁王が立っている。
 銀髪の後頭部をガシガシ掻きながら、「おまん、俺のストーカーなんか?」と、けれども嫌悪感は滲んでいない声で言う。

「ありがと、開けてくれて。ここっていつも鍵締まってるのに、どうやって入ってるの?」
「プリッ」

 刹那も仁王の疑問にあえて答えなかったが、彼も彼で会話をする気がなくて笑ってしまう。会話のドッジボールどころか、2人とも明後日の方にボールを投げるものだから、会話が成立するどころじゃなかった。
「…なんで俺がここにいるって分かったんじゃ」
「寝れる場所だから」
 和室は畳が敷いてあって、障子や襖があった。本格的なちゃんとした和室だ。障子のそばに座布団が何枚か重なっていて、頭の形に凹んでいる。

「あははっ、ほっぺたにヨダレの跡ついてるよ」
 指をさして笑ってみせると、彼は目を瞬かせて一瞬眉根を寄せ、顔を背けて「…見るんじゃなか」と素っ気なく呟く。手の甲で口元を拭う彼は、恥ずかしがっているようで少し可愛い。
「ごめん、ウソ」
「はぁ?」
「ヨダレなんて垂れてないよ。いつも通り綺麗な顔だから大丈夫」
「……」
「あはは!」
 目を丸くしたあと、本当に忌々しそうに睨まれて刹那は思わず声をあげた。
 テニスでは、詐欺師だとか呼ばれているらしいし、普段ミステリアスで飄々としていてクールな分、自分がからかわれる側になるのは少ないのかもしれない。

「ごめんね」
 まだ喉のところで小さく笑いながら謝る刹那に「ピヨ」と雑に返し、仁王は腕を頭の後ろで組んで寝っ転がった。
 刹那は和室を興味深くキョロキョロ眺めた。
 ここには数える程しか入ったことがない。月に一度ある芸術体験で茶道、書道、華道、香道、舞踊を選ぶのだが、刹那は毎月違うものを選ぶため、数ヶ月に一度しか茶道をする機会がなかった。
 その時も、入口のあたりでみんなで正座をして決められたお作法でたどたどしくお茶を点てるだけだ。よく見ると掛け軸や書き初め?書道の書?みたいなものが額縁で飾ってある。
 青臭い匂いが漂っていて、なんだか懐かしい気持ちになる。日当たりもよくてお昼寝スポットにはたしかに良さそうだった。
 鍵を開けられれば刹那もここに居着きたいくらいだ。

「ねぇ、どうやって開けてるの?わたしもここ使いたい。すっごく居心地が良さそうだもん」
「こっちきんしゃい」

 寝転がって、足を組んだ仁王が刹那を無視して呼んだ。肩を竦めて彼の傍にすりすり寄る。もちろん、人一人分くらいを開けたスペースを取ってある。
 刹那はパーソナルスペースが広いし、たぶん彼も広いだろう。知らないけどそういうタイプに見える。

「何?教えてくれ──ぅわっ、」

 腕を引かれ、刹那は気付けば天井を見上げていた。そして目の前に仁王雅治の端正な顔があった。頭に畳の固い感触があり、顔の横に彼の腕がある。

 ──押し倒されている。
 認識した瞬間、心臓がゴトリと黒い音を立て全身に鳥肌が立った。

 目を見開いたままものも言えない刹那に、仁王が感情の読めない、硝子玉のような瞳で見下ろし、平坦な口調を落とした。

「おまんめんどいぜよ。抱いてやるから、付き纏うのは辞めてくれん?」

 刹那は息も出来なかった。目を閉じず、まっすぐ見つめ返す。仁王が緩慢な動作で顔を近づけてきて、彼の瞳の中に、動揺した表情のまま固まっている自分が映っていた。
 彼が細長い指で前髪を掻き分け、鳥肌がジイン……と瞬間的に頭から爪先まで走り回る。刹那はドハッと息を吐いて、仁王を強くドンッと押し返した。

 ……強く押し返したつもりだったのに、震えそうになる腕はひどく弱々しく彼の肩を押した。彼は片眉を上げ、「なんじゃ?」と面白そうに唇を歪め、身体を起こす。
「そういうつもりで寄って来とったんじゃろ?」

 嘲笑のような笑い声に返す余裕もなく、刹那は彼を睨んだまま、固い声で「離れてくれない?」とバレないように拳を握った。
「つまらんのう」
 自分から他人の温もりが離れると、ようやく刹那は呼吸が戻ってきた。ズリズリ後ずさり、平静を装いながら薄くなった吐息でひっそり深呼吸して、バクバクする心臓を落ち着かせる。
 気を抜くと震えそうだった。
 恐怖と嫌悪感が駆け巡っていて、けれども余裕そうに微笑んで仁王を見つめる。

「き。…気持ちは嬉しいけど、答えられないの。ごめなさいね」
「付き合ってほしいんじゃろ?」
 彼の言葉をなぞって、煽るように返したけれど仁王は飄々と嘲る態度のまま、鷹揚に首を傾げた。
 つい強くなった視線に嫌悪感が滲むのを隠すことはできなかったのだろう。ククク、と喉で低く笑っている。
「意外とウブなんじゃな」
「フー……」
 刹那はまた深呼吸をした。
 キュッと丸めた指先が氷のように冷たかった。それでも恐怖は隠せたらしい。彼には刹那が"ウブ"ゆえの反応に見えているようだった。
 それに少し安堵する。

「恋人のフリって言わなかった?仁王くんに恋をしていないとも。こういうのは、順番待ちしてる他の女子としてよ」
「乗ってやってもええよ」
 柱に寄りかかって、彼が言った。
 彼の会話のペースは唐突で脈絡がない。

「えっ?」
「恋人ごっこ、おまんとしてやってもええって言うとるんじゃ」
「……」

 それは歓迎すべきことのはずだったが、驚くほど嬉しくない。警戒するように仁王を睨む。
 彼は顎を上げて刹那を視線だけで見下ろし、退屈そうにも、嘲るようにも、面白がるようにも見えた。
「なんじゃ、乗り気じゃないなら別にいいぜよ。撤回するか?」
「……ううん。しない」
「プリッ。じゃあ、おまんは今日から俺のカノジョじゃ」
「……フリ、ね」
「ピヨッ」

 念を押した刹那にも、仁王はどこ吹く風だ。
 中学2年の6月、ふたりの恋人ごっこが始まった。

*

 まず決まり事を決めたい。刹那は仁王に交渉した。
 恋人のフリをしているからって、今みたいに本当に恋人とするようなことを求められるなんてごめんだ。

 肉体的な触れ合いを避ける、お互いに恋愛感情を持たない、お互い束縛や相手の行動の制限をしない、お互い嫌になったらいつでも関係の解消は可能。
 そんなことを持ちかけた刹那に、仁王も拍子抜けするほどあっさりうなずいた。あんなことをしておいて、と疑いの視線を向ける刹那に肩を竦める。
「本当に俺に気がないようじゃからの。その条件は俺にとっても願ったりじゃ」
「試したつもり?」
「プリッ」
 呆れて目を回してみせる。信じられない。
 刹那が拒まなかったらどうするつもりだったのだろう。そのままなし崩し的にセックスになっていたに違いない。彼が校内で女子とキスしていただとか、そういう目撃談は噂としてあちこちを渡り歩いている。

 その他に刹那が仁王に求めた条件は、前髪を下ろしている刹那に彼氏として話しかけないでほしいことと、立海の同学年の女と決して身体の関係を持たないでほしいことだった。
 仁王は怪訝そうだった。
「なんで同学年に限るんじゃ?」
「別に」
 素っ気ない言い方に、刹那が口を割らないと察したらしい。「まぁ、別にええけどな」とうなずく。

 前髪に関しては、地味女の刹那と、仁王の彼女を周りからイコールで結ばせるつもりはない。そして、同学年に限ったのはもちろん、あの女がセフレになることを防ぐためだ。
 何度も念を押し、特に同学年と寝ることだけは絶対の約束として、最優先事項として守ってほしいと、半ば懇願にも近い迫力で迫る刹那に、仁王が何度も「分かった分かった……分かったっちゅーとるじゃろ。しつこいのう」とうんざりしてため息をつく。
 ここまで言えば大丈夫かと、刹那はようやくやや落ち着いた。

「ありがとう。こんな馬鹿みたいな交渉に乗ってくれて」
「ほんまぜよ。こんなん持ちかけてきた女は初めてじゃ」
「そのかわり、仁王くんが"彼女"としてして欲しいことは出来るだけ協力するよ」
「彼女としてねぇ……」
「女の子に囲まれて鬱陶しいとかなら、呼び出してくれれば行くし、浸透させるために一緒に過ごす必要があるなら合わせるし、とりあえず好きなように使って」

 刹那が受けるメリットに比べ、仁王雅治の得るメリットが格段に少ないことは自覚している。だからこの関係が持続できるなら、刹那に出来ることはなんでもするつもりだ。

 SNSを交換し、スタンプを送ったのを見て、仁王がぽつりと呟いた。
「お前さん、刹那っちゅうんじゃな」

 今更?
 呆れたが、そもそも自己紹介すらしていないことに気づいて刹那はおかしくなった。ふふ、と綻ぶように笑いをこぼす。
 何してるんだろ。
 お互い相手のことを全然知らないのに、よく話に乗ったものだ。
「言ってなかったね。わたしは白凪刹那。よろしくね、仁王くん」
「おん」

 素っ気ない、適当な返事が気楽だ。
 刹那も手なんか差し出すことも無く、ふたりはお互い冷めていて、興味がなくて、自分のメリットしか考えていない。
 彼とは仲良くできそうだ。もちろん、ほどよい距離感で。刹那は満足そうに微笑んだ。



 課題を終わらせて、ベッドに寝っ転がっていると携帯が震えた。通知には今日新しく増えた「nio」の文字。 アイコンは初期設定のままなのに、ホーム画面はヒヨコのぬいぐるみみたいな写真で刹那は「ぷはっ」と吹き出した。

『いつ彼女のフリすればいい?一緒に帰る?』
 帰宅してから、そう送ったメッセージの返事だろう。夕方に送ったが、返ってきたのは夜も更けてからだった。返信が遅いのは仁王のイメージに沿う感じがある。

『部活終わるの6時くらいになるぜよ』
『毎日はムリだけど、たまになら待つよ。曜日を決めて〜とか』

 返信するとすぐにピコンと返ってきた。

『じゃあ明日』
『わかった。他にすることある?』
『昼メシは?』
『わかった。場所は?』
『食堂か教室。弁当?』
『いつも買うか学食〜。場所どっちがいい?任せるよ』
『とりま教室で』
『わかった。じゃ明日昼休み向かうね!おやすみ』
『プリ』

 タンタンタン、と端的に続く短いメッセージが終わる。おやすみの返事もプリなんだ。わざわざ打ってるんだ。意味がわからない。クスクスと笑う。
 ダラダラしていない簡潔なやり取りに好感度が上がる。
 仁王は刹那にとことん興味がないんだろう。
 話が早くて助かる。

 明日の昼に一緒に食べるなら、仁王雅治の隣に並ぶのにある程度恥ずかしくないくらいは、顔を見れるように作らなければならない。
 設定も決めていないし、付き合いたてだとしても、カップルらしく振る舞う必要があるだろうけど、仁王とカップルっぽい会話なんて何を話せばいいんだろう。
 まぁ、なるようになるか……。
 噂が広がって、「彼女」を見たとき、絵麻だけは刹那の顔が分かる。どんな顔をするだろう。たぶん気にしていない風を装って、けれども隠しきれず忌々しげにするだろう。
 想像して背中がゾクゾクした。

 もしかしたら絵麻が言い触らして、刹那はいじめられるようになるかもしれない。けれどそれを上回るくらいあいつの悔しそうな顔は快感だ。
 それに、絵麻が刹那の人生をぐちゃぐちゃにしたように、刹那もあの女の知られたくないだろう弱味を握っている。お互い、喉元に刃を突き付けられて、お互いを無視するしかない状況なのだ。
 その上で、絵麻の"本気"で好きな人を奪ったと知ったら……。

「んふふ……あははは!」
 抱き枕を抱いて、刹那は堪えきれずにベッドをゴロゴロのたうち回った。
 絵麻が刹那の過去…レイプされて不登校になった弱味を言いふらしたところで、刹那の存在はほぼ全ての生徒に認知されていないし、こっちにはあの女のパパ活の証拠写真がある。顔が広いあいつのその写真が出回り、市議会議員をしている親にそれをバラされるのとでは、どっちが致命的かあいつにはよく分かってる。

「はー……」

 夢見る乙女のように頬を薔薇色にして、刹那はうっとりと目を閉じた。

*

「おはよ」
「っすー」

 前の席の男子の椅子に当たり前みたいに腰掛けていたミチカが、スマホゲームをしながら椅子をズズッと引きずった。
「ねぇ、やばい、カード見た?」
「見た見た。作画良すぎじゃない?走るの?」
「走る、ぜってー2枚は取る。溜めてきたダイヤ放出するわ」
「しばらく星5来なかったもんね」
 去年から仲のいいミチカ。サバサバしていて、同じオタクだった。刹那は元々本が好きではあったが、小学生の頃引きこもりをやるうちに気付いたら立派なオタクとなっていた。
 刹那は趣味で二次創作を書いていて、ミチカはコスプレイヤーだった。背が高くてスタイルが良く、一重で少し地味な顔立ちをしているから最初は分からなかったが、教室で一人でスマホゲームをしているのを見て、ハタと気付いた。
 前から見ている、好きなコスプレイヤーさんだと。
 そこから二人が仲良くなるのは早かった。なんせ趣味も同じだし、ミチカらボーイッシュで女の子女の子していなくて、常に一緒にいたがるようなタイプではない。
 コスプレしていろんなイベントに顔を出しているからか、一人で行動することにも慣れていて、むしろそれを好んでいる。

「ねえ今日ヒマ?コラボカフェいかん?」
「あごめん用事ある」
「マジかー。じゃ違う日は?来週末までなんだよね」
「水曜日以外はヒマ。これから水曜日は毎週予定ある」
「何そのbotみてーなスケジュールw彼氏でも出来た?」
「うん」
「マジか。え、マジ?オメデト。なんか意外だねー」
「そう?」
「男子に興味ない感じじゃん」
「まね」
「誰?知ってるやつ?」
「ナイショ」
「えーなんだよ」

 残念そうな声を出しながらもミチカはそれ以上聞かなかった。片耳にイヤホンをして、つけてない方からシャンシャンリズムが漏れている。
「じゃー月曜は?創立記念日だよね」
「いいよ。どこ?」
「全然湘南。ここら辺で大手がコラボしてくれる機会なかなかないからさー、ランダムコースター全部自引きしたいんだよね」
「あは、熱量がすごい」
「や、当然ね。けっこう通ったけどあと2枚取れんくて」
「推しは?」
「3枚ある」
 曲が終わったのかミチカは顔を上げてピースをした。刹那はあまりグッズは集めないが、ミチカはグッズ集めに余念が無い。ライブで痛バを作っていくタイプだった。

「わたし今日の昼もいなーい」
「ピ?」
「ピッピ」
「お幸せそうでよござんすねぇ〜」
「誰なのw」
 からかうでもなく、羨ましそうでもなく、興味無さそうでもなく、ふつうの声で言うミチカに刹那は嬉しくなった。これだから彼女が好きだ。

 チャイムが鳴って自分の席に戻っていく。
 ミチカは刹那の顔を知っている。外で遊ぶ時はふつうにメイクして行くから。
 でも、仁王と付き合ってるって知っても、態度が変わらないだろうって安心できる。テニス部のファンじゃないし、男よりわたしを優先してくれる。まぁ、友達より趣味が優先の子だけどね。
 そのくらいがいちばんいい。

 午前の授業が終わり、携帯と財布、朝コンビニで買ってきたパン、それから小さなポーチを持って立ち上がる。
 わざわざ違う階のトイレに向かった。女の子たちが集まっていたので1番奥の個室に入って、ミニ鏡でまずはヘアアレンジをした。
 触覚を出して、ハーフアップくらいでお団子を作る。
 それから目にかかる長い前髪をセンターパートにして、上にねじりながら横のあたりでピンを固定する。シルバーのピンでバッテンにすると可愛くなる。
 反対側も同じように。
 うん、かわいい。

 個室から出て鏡の前でポーチの中身を取り出した。他の子から「誰?」という視線を感じたが、無視してピンクの下地を塗って軽くパウダーをはたく。あくまでナチュラルに。
 眉毛も軽く書き、ベージュっぽいシャドウをまぶたに乗せ、薄く涙袋も際立たせる。濃いブラウンで目の際にアイライン。ブラウンの小さなパレットでノーズシャドウもアイシャドウもアイラインも涙袋も作れる便利な色味のものだ。ラメ……は目立ちすぎるかと塗るのを辞めておく。
 薄いピンクの口紅を唇に塗り、それをほっぺたにも乗せてじゅわっと広めてチークにする。
 それだけで地味女が華やかな乙女に変わった。
 仕上がりに満足げにうなずき、ネクタイを外した。ブレザーのボタンも全てあけ、シャツのボタンもふたつほどあける。
 スカートは長いままだが仕方ない。立海の制服はジャンスカだし、布が固くて短くするのがめんどくさいのだ。
 鏡の中の自分を見つめる。自然な仕上がりで、ちょっと垂れ目っぽくて、ふんわりした雰囲気だ。男の子が好きそうで、仁王の横に並んでいても他の女の子が手酷くこき下ろすには粗がない。
 刹那は自分の見た目に自信があったし、モテることも知っていた。すこぶる美人なママの血を引いているのだから当たり前だ。

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