12
 流れで由比たちと一緒にご飯を食べることになった。
「白凪さんが怖いってことは分かったんだけど、大学とか仕事とかももう決めてるの……?」
 まだこの話題続くのか。
 どこか彼女の声が震えている気がする。怖くないよぉ〜……。ニコッと笑ってみても意味がなかった。切原への口の悪さを見られた時よりも怯えられている気がする。なぜ……。

「まだ決めてないよ、全然」
「だ、だよね!良かった…」
「おや、そうなのですか?」
「柳生くんはもう決まってるの?」
「いえ、まだ私も確定はしていませんね。父が医者をしていますので、医学の道も視野には入れていますが…」
「医者いいよね〜。わたしの幼馴染も医者の家系だから選択肢には入れてる。麻酔医がいいなと思ってたけど、整形外科医もいいなって。需要が高まってるから」
「いいですね。私は父が内科なのでそちらも考えましたが、個人的には小児科医に心惹かれますね。やり甲斐という意味では放射線科も気になりますが…」
「放射線科ってがん医療だっけ?どっちも柳生くんに似合うね!まぁでも…わたし理系があまり好きじゃないから…弁護士や教授…あと裁判官かな、今のところ。国家公務員でもいいけど」
「安定な職種が志望というところでしょうか」
「そうだね〜。あとは早めに金銭的に自立出来て、仕事の裁量にある程度自由が効くといいかな。そういう意味では医学部の優先度はまだ低いかなぁ。コネがあるから優位かなとも思うんだけど、女性の採用率低いし」
「女性では泌尿器科、産婦人科医、精神科などなら需要が高いかもしれませんね。保健師なども活躍する場が多岐に…」
「私が悪かった!振っといてごめんだけどこの話やめよっか!」
「何も分かんなかったわ」

 丸井がバカの顔でお弁当を頬張っている。
「こんなにもおまんらを遠い存在に感じるとは思わんかったぜよ」
「ははは、仁王君、大袈裟な」
「何わろとんじゃ」
 柳生は朗らかだ。このドン引きの視線の中で、能天気というより最早図々しい。どうやら彼は意外にも神経が太いようだ。

「なんかごめんね…私今まで白凪さんに馴れ馴れしかったね…」
「え!なんで!嬉しいよ!」
「ほんと…?頭悪くてつまらなくない…?」
「やめてやめて、思ったことないよ!全然!」

 由比は「🥺」の顔をした。あわてて宥める。妙な方向に誤解されて疎遠にされたら困る。
「あの切原とも全然話題合うしわたし!」
「たしかに…」
 悲しそうな表情が「😳」に変化した。
「そうなん?」
「あー、仁王はいなかったもんな。白凪ってゲーセンに通ってたらしいぜ」
「ほう」
「うん。ゲームとかもするし、マンガとかも色々読むし。全然ふつう」
「なんのゲーム?」
「スプラとかポケモンとかどうぶつの森とかモンハンとかゼルダとか…」
「お、ふつーだ。マンガは?」
「少年ジャンプが好きだけど、少女マンガも好きだよ。ちゃおとかりぼんとか少コミ通ったよ。ピチレモンとかニコラとか…」
「うわ!懐かし!」
 由比の顔がようやく「😊」になって、刹那はホッと肩の力を抜いた。
「わ〜、なんだ身近だ!柳みたいに古典文学とか六法全書とか広辞苑とか囲碁とか言われたらどうしよかと…」
「ごめん、広辞苑も古典文学も好き…」
 由比の顔が「🥺」に変わるのは甘んじて受け入れる。だって面白いから……。小説を書く時の単語に応用できるし……。源氏物語とか平家物語とか普通に面白くない?六法全書は家にあります。更新されるのを集めたりはしないけれども。
「広辞苑読むんか…」
「いい暇つぶしだよ。小学生の時ハマった」
「きっと俺たち分かり合えないんだな」
 丸井がしみじみとまとめた。まとめるな。

「しかし意味が分からんな。バスケを放課後毎日やってテニスもやって家で5時間勉強してゲーセンも通ってゲームもしてマンガも広辞苑も読んでたんじゃろ?マンガと広辞苑が並ぶのも意味分からんけども」
 一日何時間あるんじゃお前さんは、と仁王が不可解そうにぼやいた。
「どんな超人だよ」
「同時並行してるわけじゃないよ。あー、でもショートスリーパーっていうのはあるかもね」
「そうなの?何時間くらい?」
「4、5時間くらいかな」
「それだけ!?」
「勉強してる時間と同じじゃん!」
「いや、つか睡眠時間と同じ時間勉強しとるってことじゃろ?」
「普通に引いたわ…」
「ひ、引かないでよ…」
「第二の柳なんだね」
 由比が「😞」と頷く。小学生の頃から生活が不規則だっただけなのに、そんな超人扱いされても……。

「わたしなんて柳くんの足元にも及ばないよ。勝てる気がしないもん。なんで相手の次の言葉を読めるわけ?三桁どころか四桁レベルの暗算能力があるのにそれでいて文系なのも意味がわからない。怖いよ」
「たしかに柳君の数学能力は天性のものを感じますね」
「あいつはバケモンだろぃ」
「でもね白凪さん、私たちからしたら白凪さんもそんな存在に見えるよ」

 刹那は「🥺」の顔をした。分かり合えないらしい。

「つかテニスやんの?バスケは上手かったけど」
「幼馴染が硬式してたから、1年くらい打ち合ったよ。今はたまにしかしないし、全然強くはないけど」
「へー!なんで仁王は知ってんだよ」
 ギク!たしかに!刹那はさっと横目で見たが、仁王は表情を微動だにせずサラッと答える。
「この前立ち話した時言っとった」
「白凪さんテニスするんだね!私も大して上手くないけど、小学生の時ちょっと女テニやってたんだよね。今度軽くラリーしない?ラケットとかある?」
「いいよ。ラケットは家にあるから今度持ってくるね」
「わー!いつやる?今日は?家に帰るの大変?私家近いから私の使う?」
「前のめりすぎだろ」
「うるさい桑原!どうかなどうかな白凪さんっ」
「あはは、明日ならいいよ。今日は友達と遊ぶんだぁ」
「例のテニスしてるっていう?」
「んーん、そいつは都内だから。今日は城戸ミチカっていう子なんだけど…分かる?」
「あ、キドちゃん?知ってる知ってる、話しやすいよね!仲良いんだ?」
 なんでミチカは由比とも仲がいいんだ?怖すぎるよ、そのコミュ力が。なんの繋がり?
「よくつるんでるよ」
「そうなんだ!今日はどこ行くの?」
「江ノ島の花火大会行く予定〜」
「わ〜!浴衣とか着るの?」
「分かんない、ミチカに合わせるかな」
「写真送ってよ!前髪上げた顔見てみたいなぁ、肌白いし綺麗だからきっと浴衣映えるよ!」
「……あはは、写真は撮るか分からないなぁ…」
「え〜!」
「まぁまぁ由比、白凪のプライベートだから…」

 刹那は余計なことを言った自分を悔いた。男子陣が気を使ってフォローしてくるのが痛い。仁王はニマ〜ッと片目を細めて口元に胡散臭い弧を描いた。殴るぞ。

*

 部活が終わり、校門に行く。ミチカが柱に寄っかかってだるそうに立っていた。背が高くてボーイッシュだからとてつもないダウナー系イケメンに見える。

「ミチカ!お待たせ!」
「お疲れぃ」
「キドちゃ〜ん!」
「お、茜じゃん。ちょいおひさ?夏休みまでえらいね〜」
 茜呼びなんだ……。
「えへへ、ありがとー!聞いたよ、花火大会に行くんでしょ?楽しんで来てね」
「サンキュ。茜も部活ない日遊びに行こうよ。甘いの好きでしょ?りかしぃ達も誘ってさ」
「いいねいいね!」
「じゃあオッケーもらったらグループ作っとくわ」
「いいの?楽しみ〜っ」
 りかしぃって誰だよ。ミチカさん、さすがです。流れるように遊びの約束を企画する彼女に心の中で脱帽し、拍手を送る。
「白凪さんも行く?」
「いえ、大丈夫です」
「なんで敬語なの笑笑」
「こいつ誘っても来ないよ。私としか遊ばないもん」
「えっ、そうなの?」
「そー、人見知りだから」
「そうは見えないけど…それに一緒にカフェ行ったよね!」
「えっ?」
 驚きの視線に深い頷きを返す。だって由比には気に入られていた方がよいので。
「ほーん…?よく引っ張り出したね。レアだからさ、これからも刹那によくしてやってね」
「お前母親?」
「あはは!私の方が仲良くしてもらってるよ!」

 じゃあ、と挨拶して由比に手を振る。「明日のテニス忘れないでねー!」そんな声が遠くなり、校舎から離れたところでミチカが唇を片方だけ釣り上げた。
「珍しーじゃん。ふたりで?」
「他の部員も」
「茜と気ぃ合うの?」
「全然」
「ハハッ、だと思った。ああいうタイプ苦手っしょ」
「苦手って程じゃないけど。でもまぁ、テニス部からも他のマネからも信頼が篤いからね」
「そんなとこだろうと思ったわ〜」
 刹那もニヤッと笑う。ミチカは刹那をよく理解しているほとんど唯一と言っていい親友だし、友達の多いミチカにとっても自分は特別な友達である自覚があった。
 どっちも性格が悪く、冷めていて、自由と一人を好むのだ。

「じゃ、刹那。改めて誕生日おめでとう」
「ありがと〜!」
「家に着いたらプレゼント渡すわ」
「うん、楽しみにしてる」

 実は刹那は今日が誕生日だった。
 学校の誰にも言っていない。朝ばぁばに祝ってもらい、LIMEで侑士と謙也とえりちゃんから祝われたくらいだ。刹那の誕生日を知る人はほとんどいない。

「浴衣着る?」
「着るよ!」
「オケ〜。ね、わたしの写真リア垢の方に載せないでね」
「分かってる分かってる。コスプレの方はいいでしょ?」
「ん」

 ミチカの家は電車で数駅乗ったところにあり、学校から少し遠い。だが、江ノ島には行きやすい。
 こざっぱりした小さな庭があるいかにも良い家という一軒家が彼女の家だった。両親はどちらも働いていてまだ帰ってきていない。

「はい、プレゼント」
「わーい!開けてい?」
「開けろ開けろ〜」
 可愛くラッピングされた小袋は軽くて柔らかかった。ドキドキしながら開けると、中から推しのVTuberをイメージしたようなクマのぬいぐるみ出てきた。可愛らしい洋服を着ている。
「ギャーッ!!!」
「うるさっ」
「待ってこれ作ってくれたの!?神!?」
「ミチカ現人神と呼びたまえ」
「ミチカ現人神様〜!!!!待っ、かわいっ…え、すげっ…マラカスオバケまでいる!虎までいる〜!!豪華すぎ……」
「ちゃんと配信聞きながら作ったよ」
「神神神…ハマった?」
「なよかったんで…」
「クソッ……」
 彼女の好みは分かりやすく、女々しくない男、頼りがいのある男、報われない男、孤独な男という男らしい男が好きなのだ。可愛い男は好みではない。
「そんなあなたにはやしきずがおすすめ」
「顔が好みじゃない」
「絶対性格好きだって!ソロよりコラボがいいよ」
「いずれね」
「くぅん……。でもほんとにありがとね…ぬいなんて何時間かかるか…」
「あんたのプレゼントすごかったもん」

 ミチカの誕生日は5月にあり、刹那は彼女の推しであるアドニスの夢小説を15万字書いて本の形にしてプレゼントしていた。自分の分と彼女の分の2冊だけだが、本の形にするのは初めてだった。通販にする予定はなく、支部に全公開したが割と伸びた。イラストはミチカの好きな絵師に依頼していた。
 我ながらちょっと頑張ったが、まさかクマぬいを作ってくれるなんて……。
 ミチカは裁縫が得意で、オシャレセンスもあり、自分のコスプレ服を自分で作ることもあり、部屋にはミシンが置いてある。素晴らしい才能の持ち主なのだ。

 二人で並んでメイクをする。普段遊ぶより濃いめのメイクだ。刹那は着物の着付けが出来ないが、ミチカがコスプレのために覚えている。
 彼女の浴衣は浴衣というより、銀魂のようなショート丈の着物だ。黒紋付きの着物にパンクなゴツゴツベルトをして、ガーターをつけ、黒の厚底ブーツを履き、ピアスと舌ピを付けまくる。ミチカは耳に7箇所穴が空いているのだ。髪は体育祭でもしたハーフコーンロウだ。いかつくて格好いい。帯は艶のある素材で存在感を主張している。
 刹那のコーデは真逆で和ロリ風だ。和ロリというか着物ドレス風と言ったほうがいいかもしれない。水色の着物を丈を短くして着付け、白いパニエのようなフリルの多いミニスカートを履き、淡い黄色の帯の上からピンク色のリボンの形をした帯飾りを前につける。パステルロリータだ。髪はツインのお団子を耳の下で結ぶ、中国で「丸子」と呼ばれて流行っている髪型だ。前髪は分けて数本垂らして固めておく。
 ミチカに借りた小さめのバッグにはもちろん、ミチカが作ってくれたイブラヒムのクマぬいを飾った。

 夕方頃に家を出て電車に揺られる。数日間に渡る祭日とはいえ、さすがに人がゴミのようだった。人混みは大嫌いだが、手を繋いでいるからご機嫌だ。
 かき氷を掬っては写真を撮り、りんご飴を齧っては写真を撮り、カラフルな綿あめを食べては写真を撮る。ミチカはコスプレイヤーなだけあって、いつでもどこでも写真を撮る。それぞれのソロの写真もふたりの写真も引くほど撮りながら、屋台をブラブラ歩く。
 映えそうにないところにもエモを見出し、ミチカは映える写真を撮ることに余念がない。
 彼女にしごかれて盛れる角度やポーズを覚えたし、写真を撮る癖がついたくらいだ。

「そろそろ花火始まるんじゃない?どこで見る?」
「橋の方行こ。あっちの方ベンチあるし、景観エモいんだよね」
「分かったぁ。あ、ラムネ買ってこうよ」

 長い列に並ぶ。けど、夏+お祭りといったらラムネは外せない。ラムネ屋台の隣は金魚すくいで子供たちがわちゃわちゃとしゃがみこみ、可愛い列が続く。
 微笑ましく眺めていると、特徴的な赤髪を見つけて刹那は仰天して心臓がドクンと鳴るのを感じた。急いでミチカの影に隠れる。
「え、どうした?」
「丸井がいる丸井がいる丸井がいる!」
 俯きながら小声で叫ぶ。隣の列の、刹那の少し前のあたりになぜか丸井ブン太がいた。小さい男の子2人とにこやかに話している。

 今日行くって言ってなかったじゃん!!!!!
 内心にて爆音で怒鳴る。なんでいるんだよお前!!

「ちょ、ごめん、逃げていい?」
「wwwいいよ、私並んどく」
「ほんとごめんどっか影にいるから…」
「あいよw」

 しばらくしてミチカが戻ってきて、刹那を見つけて爆笑した。
「不審者?」
「だって〜…。丸井に見つかんなかった?」
「見つかったよ」
「あ、あぶね〜!てか知り合い?」
「話したことくらいはあるよ。友達の友達くらい」
「コミュ力怖…。なんか言ってた?」
「刹那は?って聞かれたけどふつーに違うの買って合流するって言っといた。違うところで花火見るってさ」
「ありがとありがとありがと。こえ〜ほんと、なんでいるんだよシレッとさぁ」
「毎年家族で見に来るらしいよ〜」
「言えよあいつ」

 今日の刹那はとてつもなく可愛いし(自分で言うけど)、顔を出している。仁王の彼女だとバレてしまうだろう。丸井は口が軽そうだから(偏見)そうなったら面倒だ。

 橋のところはやはり人が多かったが、なんとか花火が見える席を取れた。一通りミチカの細かい要求に応えながら写真を撮り一息つく。
 夜空に大輪の花が打ち上がった。

「お」
「キレーだねえ」
 スマホを構えて、当然のように花火を撮るミチカ。色とりどりの光に照らされるミチカの横顔を見て、刹那はふふっと笑った。楽しそうで嬉しい。
「写真撮って」
「うん!」
 可愛い、かっこいいと褒めたたえながら、彼女を撮る時間が刹那はけっこう好きだった。褒めると嬉しそうだし、上手く撮れていても褒めてくれて嬉しい。嬉しいの無限ループだ。

 空に立ち上る小さな光の筋、一瞬瞬きする間に広がる夜空の花。遅れて聞こえる気持ちの良いヒューッとした音と、打ち上がる音。
「来年も来たいな、ミチカと」
「当たり前じゃん」
「うん!ふふっ」
 そう答えてくれるのが嬉しい。刹那はミチカの肩にコテンと頭を乗せた。今度は裏切られたくないな。ミチカとずっと友達でいたい……。
 瞳に燃える花びらを見つめながら、刹那はそう思う。

*

 帰り道、電車でウトウトしながらスマホを弄んでいた刹那はピコンとした通知で飛び上がりそうになった。
 怪訝に「なに?」と尋ねるミチカに震える手で画面を見せる。

『誕生日おめでとう。祝うのが遅れてすまない。
 赤也の件で失念してしまっていた。
 今年も良い年になりますように。
 明日何か粗品を送ろうと思う。これからも友人として、そしてテニス部のマネージャーとしてよろしく頼む。』

「え?誰?」
「柳くんだよ!まさか祝ってくれるなんて……!てかそもそも知ってくれてたなんて……!いや、あの柳くんだもん知ってて当然か、でも祝ってもらえると思わなかったの!」
「ああ」
 心臓がバクバクして手汗が出てきた。刹那は頬を紅潮させて画面を何度も読み返した。
「え?柳のこと好きなの?」
「うん、言わなかったっけ?」
「え、え、仁王は?彼氏でしょ?」
「柳くんはファン!え、去年クラブに入ったの言ってない?てか誘ったよね?」
「あ〜……?誘われた気もする……。でもノリだと思ってた」
「やガチですね」
「普通に話してたやん。てか隣の席だったやん」
「必死にファンであることを隠しながら生きてるんだよ!本人の前でキャーキャー言ったらキモいし気まずいでしょ?向こうも」
「え…知らんかったんやが……」

 知らなかったらしい。たぶん興味がなかっただけだと思う。
 でもミチカの目からも柳への気持ちを隠していることを見抜かれていなかったのなら、本人はともかく、他の人にはバレなさそうだ。本人はともかく。
 柳くんは分からない。気付いていて触れないでいてくれているような気もする。薮をつついて蛇を出したくはないので、これからも触れないでいてほしいところだ。

「ふわぁ〜」
 去年隣の席になったのは夏休みが開けてからだったため、祝われたのは初めてだった。
 幸せな桃色のため息をつき、刹那はスマホをうっとりと抱えた。
 今日はいつもの悪夢ではなくて、いい夢を見れそうな気がする。

prev back next

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -